令和2 年7 月豪雨災害支援のご報告

2020年(令和2年)7月3日~7月末にかけ、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で集中豪雨による甚大な被害が発生いたしました。NPO法人ユナイテッド・アース では、 7月5日より 緊急災害チームを立ち上げ、熊本県天草市、人吉市に向かい、現地調査をスタートいたしました。

今回は、新型コロナウィルス感染症が流行する中での災害支援となり、各被災自治体では周辺地域のみのボランティア受け入れという方針が出されました。ユナイテッド・アースとして、各自治体の意向を尊重しつつ、 現地で開催される情報共有会議(火の国会議)へ参加、地元の社会福祉協議会や行政、支援団体と連携しながら、被災自治体の遠隔地からでも可能な後方支援の展開を進めさせていただきました。

■災害発生直後の被災地の様子

▼熊本県人吉市

▼熊本県人吉市 7月15日撮影 平和だった城下町。商店など多くのお店が被害を受けました

■熊本県八代市ボランティアセンター物資支援 
タープ4台 バール50本

熊本県八代市では、市内を流れる球磨川が氾濫。押し寄せた水によって市の中心部の住宅や商店街が壊滅的な被害を受けました。多いときは100名単位でボランティアの受け入れを行っておられた、八代市ボランティアセンター。安全に安心して受け入れができるよう、ボランティアの方の休憩(影を作る)など、熱中症対策としても使用するため、八代市からご依頼をいただき支援させていただきました。

■ 熊本県阿蘇郡小国町避難所 物資支援
パーテーション26台

小国町では発災当初200名以上の方が孤立状況で過ごし、約20~40世帯が2か所の施設での避難生活を余儀なくされていました。ユナイテッド・アース石川事務局を担当頂いているコマニー株式会社により、避難所での生活において必要不可欠なパーテーションの支援をさせて頂きました。

<各小・中学校 授業再開へ向けた物資支援を実施>

校舎が災害により被災、もしくは道路の寸断や断水のため使用できなくなった学校は他校の校舎を間借りしての授業を開始しておられます。しかし、限られた教室数の中、コロナ禍において密を避けるのが難しく、授業の再開のためには、部屋をパーテーションで仕切る必要がありました。そこで、コマニー株式会社・上田運輸様の全面協力の元、3つの学校へ授業再開に向けパーテーション支援をさせて頂きました。

■熊本県球摩郡球摩町 渡小学校 パーテーション6台

渡小学校は、ニュースにも度々出ている、14名の方がお亡くなりになった「老人ホーム千寿園」の隣に位置する小学校。村の中にある2校の小学校の内一つが水没。パーテーションの寄贈により、8月3日より2校とも学校が再開。85%程の生徒が登校できるようになっており、被災直後の村にとって明るい話題となりました。

■熊本県八代市 八竜小小学校 パーテーション19台

■熊本県八代市 坂本中学校  パーテーション41台

■福岡県大牟田市・不知火保育園 ベビーベット3台、茣蓙20枚を寄贈

令和2年7月豪雨では、福岡県内も筑後川などが氾濫し、大牟田市・久留米市など福岡南部エリアでも甚大な被害が発生しました。約90名の子どもたちが通う不知火保育園も床上50㎝浸水。保育園内にあるほとんどの物が浸水しました。現在は代替施設にて保育を行っておられます。浸水した自宅の片づけが終わっていない家庭も多く休暇中も保育を行い、被災されたご家庭をサポートされておられます。ベビーベットと茣蓙を寄贈することで、「新しく赤ちゃんを迎え入れることができました。」と、嬉しいご報告もいただいています。

<地元を支える病院や飲食店への支援>

 

▼熊本県人吉市 松本歯科医院へ物資支援

松本歯科医院は74年間、人吉市の地域医療(歯科)を担ってきた歯医者さんです。今回の災害では床上90㎝程の浸水。1階の診療室、待合室、地下のレントゲン室や資料室などが泥で埋まり、機材や患者さんが座るイスなども被害にあい、営業再開の為スタッフの皆様がご尽力されていました。患者さんやスタッフの皆様にご活用いただけるよう、タオルとお茶を寄付させていただきました。

▼熊本県人吉市 飲食店「ひまわり亭」へ物資支援

「ひまわり亭」は豪雨災害発災後~炊き出しを継続し地元を支える活動を続けておられます。今回の災害では2mに及ぶほどの浸水があり、お店の厨房部分は使えなくなりました。泥だしも終え、営業再開することもできましたが、未だ災害の復興半ばの人吉市~球磨村中心に炊き出しの支援を継続されています。人吉や球磨村で被災された皆さんに命の源である『食』の支援を。そして『心』の支援につなげていただきたいと思い、洗剤や調味料を中心とした物資をお送りしました。

▼熊本県球磨村 温泉くま村湯の駅 地域にお住まいの方へ食料支援

「くま村湯の駅」は地元の観光を盛り上げようと3年前に開設されたばかりの球磨村にある民間の観光施設(温泉・お土産や・宿泊の複合施設)です。 観光客だけではなく、地域の皆様に愛されていた温泉は、地下の温泉が川に面していることもあり、壊滅的な被害を受けました。地元の観光にとって大切な場所の被災ということで、再建・復興に向けてお力になれればとの想いで、スタッフの皆様、地域住民の皆様へ食料支援をさせていただきました。

熊本県人吉市球磨村 被災された方々へ冬用布団のご支援

熊本県人吉市球磨村では、発災から約3ヵ月半が経過しましたが、被害の大きかった球磨村では、いまだに300世帯以上の方々が仮設住宅で避難生活を送られています。被災直後の7月に、夏用寝具(マットレス・タオルケット等)が支給されましたが、それ以降の寝具の支給は滞っている状況です。季節が秋へとうつり朝夕の冷え込みも厳しくなるなかで、就寝時の寒さをしのぐ布団がなく大変困っておられ、「タオルケットを2枚重ねて寝ようとしても寒くて眠れない」「タオルを重ねて枕にしている」等、、、早急な支援が必要でした。寝具(冬用布団)は健康や命を守る上で必要な物資として100組ご支援させていただきました。

NPO法人ユナイテッド・アースでは現在も支援活動を継続中です。

新しい情報は随時、ホームページ等でも発信を続けておりますので、

ご確認いただければ幸いです。

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