代表世話人よりメッセージ

渕上智信(プロフィール)

◆代表世話人
渕上智信/ NPO法人ユナイテッド・アース 理事長

株式会社ガイアシステム 代表取締役会長
株式会社ガイアサイン 代表取締役社長
一般社団法人伊勢庭燎奉仕の会 理事
一般社団法人野遊びリーグ(Nリーグ)理事
NPO法人熱気球運営機構 顧問
同志社大学大学院 総合政策科学 修士。地域公共政策士。

目次

詳細プロフィール

【1】ワンルームマンションから一人で創業 

幼少期から、「人と人との繋がり」や「心を育むこと」が蔑ろにされている社会に対して強い違和感を抱き、「皆が幸福を実感できる社会を実現したい」と、その志一つでわずか50万円の資金で起業に踏み切った。24歳の時に(1987年)ワンルームマンションから株式会社シャンバラ(イベント業・広告代理店)を創業。その後、株式会社ガイアシステムを設立し、IT事業や人材派遣業を通して会社は急成長を遂げ、全国展開を果たす。そのステージは上海、ニューヨークにも及んだ。

さらに、自社の社員教育の仕組みをもとに構築した「HPCシステム(人間力創発の仕組み」は、一過性の研修とは異なり、社員同士がともに学び、成長し、信頼関係を深めていくことができると、導入企業からの評判が瞬く間に全国へと拡がる。一人ひとりの自立性・自発性を育むHPCシステムは「継続的に人が育つ仕組み」として、社内風土の向上やチームビルディングにも目覚ましい効果をもたらし、時代の変化にも負けない「全員経営」を可能にするメソッドとして、大学や教育研究機関からも注目を集めている。

2011年東日本大震災では発災直後より、宮城県南三陸町・登米市にも拠点を構え、復興支援と新しい街づくりに尽力。被災者に寄り添った様々な支援を展開する傍ら、太陽光発電を中心とした自然エネルギーの推進は、被災地から全国各地へと拡がっている。現在も、災害の教訓を活かした「自立循環型の新しい社会モデル」の創造に向けて、各地の自治体と連携しながら取り組んでいる。

【2】数百人規模の経営者の勉強会で、座長を10年

「社会変革には、 “多くの人が人生の大半を過ごす職場” = “企業”の経営者が、利他の精神に変わっていくことが重要である」との想いから、31歳の時に(1994年)、志高い経営者が集まり「人生哲学・経営哲学」を学ぶ勉強会に入塾。塾内で月例勉強会を提案し、発起人・座長としてスタートする。

そこでは、毎回経営者同士のすさまじく真剣な対話が繰り広げられ、各界のリーディングカンパニーの経営者が、いかにして艱難辛苦を乗り越えてきたのか、企業のコア・コンピタンスをどのように創り出し、会社を成長させてきたのか、その方法は、継続的・発展的なものなのか、そこに理念や志はあるのか─。生身の経営者の実体験を通した本物の学びが伝播し、わずか数人から始まった勉強会は次第に多くの方々から共感・応援を得るようになり、約700名の経営者が集まる勉強会へと成長した。

こうした多くの経営者の経営体験から培われた経営力と、志高い経営者とのネットワークは、その後の活動にも大きな原動力となっている。この勉強会の座長を10年間務めた後、2010年末に座長を後継の方々に引き継ぎ、かねてより取り組んでいた社会貢献活動に、より重点的に取り組み始めた。

【3】社会貢献団体を立ち上げ、全国的な組織へ

◆NPO法人神戸国際ハーモニーアイズ協会(現:NPO法人ユナイテッド・アース)の設立
創業当初から、事業収益を原資として海外への自立支援活動や若者の心を育むイベントの開催など様々なCSRに取り組む中、さらに発展的な「市民主体の社会変革」を目指すべく、2006年にNPO法人神戸国際ハーモニーアイズ協会を設立。映像とITを活用した「社会貢献専門動画配信サイト」の立ち上げや、多くの著名アーティストのご協力を受けて、アフリカ支援のためのチャリティCDをリリースした「社会貢献専門音楽レーベル・ハーモニーアイズレコード」の活動、大規模な市民イベントの開催など、市民一人ひとりの良心を開き、社会貢献活動に主体的に参加できる「仕組みづくり」に奔走する。

■社会貢献専門動画配信サイト「UNITED EARTH CHANNEL」
https://www.youtube.com/user/harmonyeyesmovies

◆NPO法人ユナイテッド・アースの取り組み

多くのNPO団体から経営上の相談を受けてきた経験を通して、社会貢献活動における「経営力」の重要性、また分野を越えた連携の必要性を改めて痛感した渕上は、社会貢献活動を実現するための総合的機能をもつ団体として、「ユナイテッド・アース」を設立。

NPOや企業、アーティスト、有識者、学生など…市民の共働によって、「技術」や「資金」、「ネットワーク」を結集し、一団体や一個人だけでは解決できない様々な社会問題に対して、より効果的・継続的な取り組みを開始。これまで、災害時の復興支援、環境エネルギーへの取り組み、次世代の社会起業家育成に向けた教育活動、平和推進活動、カンボジアやケニア、中国四川省涼山など海外の貧困地域の自立支援など様々な実践を展開。また関東・関西で実施していた交流の場「UE-Café」を地方でも開催し、市民が立場や年齢を越えて繋がり、地域の活性化を促す新たなプロジェクトをスタートさせている。

このように、ユナイテッド・アースでは、誰もが気軽に参加できるイベントや、ソーシャルメディアを通じた一万人を超える規模のムーブメントを数多く手掛けながら、それらが決して一過性の取り組みに終わることなく、根本的な社会問題の解決に繋がる仕組みを発信すべく、戦略的かつ組織的実践を展開している。

【4】 次世代を担う「人づくり」

東日本大震災を大きな契機として、従来の大量生産・大量消費型のライフスタイルや既存の社会システムでは、もはや立ち行かなくなっていることを多くの人々が自覚した。そのような今だからこそ、自立型・循環型の「新しい社会モデル」の創造が必要であり、そのためには時代を担う若者の育成が必要不可欠である─

そのような想いから、これまで培ってきた「人づくり」のノウハウや経営者、社会活動家としての経験を活かし、正しい「考え方」と「実現力(経営力)」の両面を育む、「社会起業家育成」のための授業を天理大学や同志社大学など様々な大学機関と連携し、2013年よりスタート。「社会を良くする実践者」を一人でも多く育成し、「良心のネットワーク」を構築すべく、今、本当に必要な学びとは何か─魂を込めて伝えている。

【5】循環型の新しい街づくりへ

今、我々を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う地方の疲弊、産業の低迷、貧困の連鎖、さらに世界でも、多発する大規模な自然災害、世界経済の低迷、二極化する格差社会…地球規模の社会課題が山積みとなっている。

例えば今、首都直下型地震や南海トラフ地震が起きれば、被害を受けた地域のみならず、日本全体の経済が大きな打撃を受け、社会機能そのものが機能不全に陥る可能性がある。そのような有事対策としても、各地域で自立循環型の「新しい社会モデル」の構築が求められている。

現在、ユナイテッド・アースでは、全国の自治体との連携を進めるとともに、安全・安心な食料・水・電気が自給できる自立した循環型システムを構築し、有事にも耐えうる強い街の連帯をつくることを目指している。10年後、50年後の未来を見据え、市民主体の新しい社会のカタチを描く渕上の挑戦は続く─

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