ちいさな”手”

 更新日:2012年01月21日(土)

コミュニティサポートチームリーダー”しき”です。
 
朝、ちーちゃんはわたしの手を握って小学校へのスクールバスが到着する慈恵園(特別養護老人ホーム)まで歩きます。
 
ただそれだけ、子どもたちが集合する仮設住宅からバス乗り場まで毎朝10分程度のことなのですが
「震災以降、はじめて私の手を離して歩いて行ったんですよ」
とお父さんはうれしそうにおっしゃいます。
 
志津川小学校1年生のちーちゃん。
慈恵園で働くお母さんが津波で亡くなっていたこと、
同じく慈恵園で働いていたお父さんと中学生のお兄ちゃんと仮設住宅で暮らしていることをその後に聞きました。
 
朝も夜も泣いてばかりで、お父さんの手を握ってしかバス乗り場まで行こうとしなかったちーちゃん。
わたしたちの姿を見るとお父さんを放って笑顔で走ってきて手をつなぎます。
 
ある朝ちーちゃんが握りしめてきたかわいい封筒には
“しきねえへ がっこういくときにいっしょにきてくれてありがとう!ほんとうに、ありがとう! ちひろより”
と書かれた手紙が入っていました。
 
お父さんはちーちゃんの変化が少し寂しいけれど、うれしいと言ってくれます。
バスから笑顔で手を振るちーちゃんに「こっちは全然見ないなぁ」と苦笑いしてお見送りをされます。
 
顔を合わすたびに笑顔で声をかけてくれるお父さん、奥さんと過ごした慈恵園をどんな気持ちで毎日歩いているのかと思うと、志津川の風景を見下ろしながらわたしの方が泣いてしまいそうになります。
 
夕方、バスで帰ってくる子どもたちをまた慈恵園で出迎えて、仮設住宅までの道のりを手をつなぎながら歩くと、
「ちーちゃんのママはね、天使になっちゃったんだよ」
とお母さんの話をしてくれます。
わたしはちーちゃんの手をギュッと握るしかできません。
 
「あ、お星様!あそこでママが見てるんだ。お日さまからもお月さまからも見てるんだ!」
「そうだね・・・ちーちゃんのママはずっと見ててくれてるんだね。」
そんな話をしながら、わたしに何ができるのか、涙をこらえて空を見上げて歩きます。
 
ただ、ほんの10分の送り迎えで笑顔になってくれる人がいるなら、わたしはシアワセです。
 
DSC_0261.JPG
 
DSC_0254.JPG
 
 

にほんブログ村 その他生活ブログ 東日本大震災・震災復興へ
にほんブログ村   
人気ブログランキングへ