仮設住宅での炊き出し

 更新日:2011年10月12日(水)

こんにちは。4泊5日でボランティアに参加しています東京から来ました、ゆきねえです。
今日は夕方から仮設住宅で炊き出しがありました。午後3時頃から準備がスタート。まずは住民の方へのごあいさつと、今日の炊き出しのご案内の声かけに1軒ずつ仮設住宅を回りました。(でも半分ぐらいはお留守でした・・・。)
その際に住民のお母さん方に、
「『いも煮』の作り方を教えていただきたいので、お手伝いただけませんか??」と、
お願いをしたところ快く承諾を頂き、5~6名の方々に来ていただきました。
「いも煮」の準備中は、皆さんとても楽しそうにお話をしながら、野菜を切ったり煮たり・・・。
「以前はお祝いごとがあると、近所のみんなでこうやって集まり、食事をみんなで作っていたのよ。」とお話ししてくださいました。
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5時頃から集会所に人が集まり始め、「いも煮会」は予定より30分遅れの5時半からいよいよスタート。開始20~30分後には、お年寄りの方から小・中・高校生、また下は幼児まで、とてもにぎやかになっていました。
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皆さんの元気なお声、楽しそうな笑顔、笑い声・・・目にする事ができて、とてもうれしかったです。いも煮の評判もとても良く、おかわりをしてくれる方も多くいらっしゃいました。
食事の後は、みんなでカラオケ大会。先頭バッターは小1の男の子2人組。曲はなんとAKB48! その後「荒城の月」、「故郷」、「ドラえもんの歌」と続き、幅広い選曲でとても盛り上がりました。
 子供が元気に歌っている姿を・・・大人の方がうれしそうに、あたたかい目で見守るような様子が印象的でした。
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 1曲歌い終えた自治会長さんにお話をうかがったところ、
「集合所にこうやってたくさんの方が集まることがなかったので、みんな楽しそうにしていて良かった」とのこと。「志津川にはカラオケが無いので、カラオケもやってもらえて良かった」と、大変喜んでいました。
 またある女性の方は、「こういう風に『笑える』って、いいわよねぇ」と言って下さいました。この方には、親類の方でまだ行方不明の人がいるそうです。でも「笑っているときは、『一瞬だけ、忘れられる』」と、おっしゃっていた事が印象的でした。
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今回「いも煮会」の炊き出しに参加して感じたことは、住民の方々はみんなで何かを一緒にすることを望んでいたり、また私たちも同じですが、人に頼られたり感謝されることに、大きな「喜び、うれしさ」を感じるのだな、ということです。これからも、こういった「集える場」が増えていけば良いと思いました。
 
私にとっては、被災後3回目の南三陸町になります。訪問の度に様々な体験をさせていただき、とても感謝しています。
 
「もう7カ月」、「まだ7カ月」と、震災に対する思いは人それぞれあると思います。
 私も初めて来た時は、水道がまだ使用できなかった状況でしたが、今では使えるようになったり、ガタガタだった道がきれいな道路へ修繕されていたりと、南三陸町の状況は好転しているように思われます。
 しかし一方で、実際に住んでいる方の生活状況はまだまだ良いとは言えません。今回、仮設住宅二か所に行きましたが、地域によってその様子は全く異なりました。
 ある仮設住宅では、自治体がしっかり活動されていて、集会所が有意義に活用されていました。 例えば、お母さんがミシンを借りに来てご家族のズボンの直しをされたり、高校生が三線を習っていたり、小学生は下校後宿題をやりに来たり・・・と、集会所のスペースが大活躍していました。また実際にお話を伺った70代の男性は、朝散歩されているお仲間がいるそうで、そのお仲間はこの仮設で何らかのイベントなどを通して知り合ったようなことを言っていました。聞いたところ、この2カ月でたこ焼きや、クレープなどの炊き出し、プリクラ・・・など数十回、各世代のいろいろなイベントをされているそうです。
 一方で別の仮設住宅では、集会所の設備もまだ整っておらず、催し物も少ない状態。自治会の中での「集い」も、あまり活発では無い印象を受けました。同じ町、同じ地域の仮設住宅にも関わらずこれだけ状況に違いがある事に、驚きを覚えました。
 どの仮設住宅でも住民の方々に少しでも楽しく、また元気に暮らせるようになることを願うばかりです。
 こんなこと言うのも不謹慎かもしれませんが、私はボランティアに参加させていただく事で得られる色々な方との「出会い」を楽しみにしています。
 今回もまた、素敵な「出会い」がありました。これからも人と人との「出会い」を大切に、ボランティアを継続したいと思います。