ドラマ「あまちゃん」と東北

 更新日:2013年09月30日(月)

「東北に笑顔を届けたい。」
 
そんな台詞で締めくくられたTVドラマ「あまちゃん」が先週最終回を迎えました。
 
東北が舞台であるということで僕も5月辺りから見出して、あっと言う間に夢中になってしまったNHKの朝の連続テレビ小説です。
このドラマは岩手県の架空の都市「北三陸」を舞台に2008年から2012年までの時代を、笑いと涙で駆け抜ける一人の少女とその田舎町の住民たちの心温まる物語。
 
もちろん大人気で国民的ドラマとして話題になり知っている方も多いと思います。
モデルとなった岩手県久慈市には沢山の方が観光に訪れ、その経済効果は35億円に昇ったと聞きます。
 
震災について触れるということで注目せずにはいられないので毎朝見ていたのですが、驚くほどに僕らが感じていることを描いてくれていました。
 
それは「故郷愛」です。
 
丹念に描かれていく東北での生活。「うに」「海女」「ローカル線」「海の男」「方言」「まめぶ」。
様々なキーワードが作中で語られ、心温かい東北気質に主人公が触れていき、視聴者にも分かりやすく寒い地域の海で暮らす人々の悲喜こもごもを教えてくれます。
 
北三陸と南三陸、名前も似ているけどもキーワードまで似ているんだと親近感が湧き上がり、見ていて共通項を探すのが楽しくてしょうがなくなったのです。
 
劇中で何度も出てくる「うに丼」なんかは僕も南三陸で何度も食べた大好物です。
ここまで美味しい うに丼が在ったのかと驚くような味に出会った衝撃は忘れられません。
 
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そんな驚きや悦びを描かれると共感してしまうので自分が夢中になって当然なのですが、全国で人気が出たというのは正直驚きでした。ですが皆の感想を聞けば、やはり景色の美しさや忘れかけていた温かさ、そして仲間たちの家族のような連帯感。そういったものに魅かれていたそうです。
 
でも、それは東北に当たり前のように詰まっていた未だに忘れられていない温かさでした。
 
脚本の宮藤官九朗さんが何故そんなに東北のことを描けたのかというと出身が宮城県の栗原市なんだそうです。
やはり宮藤さんも震災で傷ついた故郷を何とかしたいと思ってのことなのでしょう。
 
二年半前に仲間が、震災から一ヶ月後に行われた第一回福興市に御忍びで現れた宮藤さんをご案内したことがあるという話がりました。もしかしたら、その頃から色々な構想を練っていたのかもしれません。仲間や南三陸町の皆さんの頑張りが「あまちゃん」誕生のきっかけになっていたのかもしれないと思うと何だか少し光栄ですね。
 
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また舞台となった岩手県に実在する「三陸鉄道北リアス線」というローカル線があります。
主人公アキちゃんたちが、こよなく愛する地元ローカル線で乗客も少なく駅員さんたちが一生懸命に運営している姿が描かれていました。
 
その線は震災から五日後に自力で一部復旧させて何とか走らせて瓦礫で動けない人々の助けとなり、地元の復興のシンボルになったという逸話があったそうです。その実話が流された時、知ってはいても涙が流れました。「銀河鉄道999」の音楽と共に走り出す電車を見た時、今こそ思い出したい初心や決意が奮起して胸がいっぱいになってしまいました。きっと宮藤さんはここを描くためにずっとずっと準備してきたんだろうな、と勝手に想像しています。
 
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岩手の北リアス線は、最終回で描かれた後にほとんどは復旧したそうです。あと少しで全てが復活できるそうですが南三陸の鉄道は海沿いだったために復旧はままならず、代わりに路線バスBRTが誕生。
 
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元線路跡地をバス専用道路として直し今まさに新たな形として復活しました。震災の傷は直せるものと治せないものがあります。
 
しかしBRTのように失くしたものから新たに始まり、その街から新しい歴史が始まることもあります。
 
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あまちゃんで描かれたことは、僕自身が東北に来て感じていた心意気や伝統的な魂、などきっと東北に共通する意思なんだろうと思います。それぞれの土地にある歴史と文化、そして失ったものと変わらないもの。新たに始まる歴史。
 
日本は未曾有の大惨事にあい、確かに傷つきました。だけどそれを乗り越えていく原動力になるのは人との繋がりや、大切な生活の文化であり、これからの未来を夢見ること。
 
笑いと涙の中に、落とされた哀しみを笑顔で乗り越えていく姿はまさしく東北で僕が感じた心意気でした。
 
だけど、実際に震災被害に遭われた方達にはこのドラマは辛いのではないか、そんな危惧も僕の中にはありました。
 
ですが色んな人達から聞いた話によると、朝8時になると仮設住宅のそこら中から「あまちゃん」のテーマソングが大合唱を始めたかのように聞こえたり、漁師さんたちが「あまちゃん」を見るために仕事を早く終えようと必死だったと聞きます。
 
もちろん見たくは無い人も沢山いらっしゃると思いますが、確かな元気に繋がっているんだという事実もまたあるんだと、密やかに感動してしまいたした。
 
沢山の人々が「あまちゃん」の続編を望んでいるそうですが、それには舞台となる東北の復興状況が要になってくるでしょう。是非とも再び見るために、僕らが皆が東北の未来を夢見ることなんだとドラマは教えてくれたような気がします。
 
北三陸と南三陸。同じ魂を感じながら、見ることのできた「あまちゃん」。
もし岩手まで行くには時間に余裕がない方や、他の土地も見てみたい方などは南三陸町や他の被災地と呼ばれた東北に来ていただきたいです。
 
海女はいませんが、同じように故郷を愛し協力し合う姿がそこにはあります。
美味しい海鮮に、のどかなワンマン電車と、綺麗な海が見れる路線バス。
 
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ドラマに流れる東北の心と日本人の思いやり。
もし、それをお求めなら綺麗な海を見ながらゆったりと電車やバスに揺られながら南三陸にもお越しください。
 
もしかしたら忘れかけた探し物が見つかるかもしれません。
 
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